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屋久杉の輪切り 塗装前と後の色の変化
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クラロウォールナットとは?|銘木情報
クラロウォールナットは、高級外車の内装材や一枚板、銘木を使用した工芸品、万年筆など付加価値が高い分野において使われている北米産の木材です。
このページでは、クラロウォールナットとはどのような特徴を持った木材なのか紹介していきます。
1.産地と生育の特徴
北米産で、いわゆるウォールナットと同じでクルミの採れる木です。
しかし、一般的なウォールナットと比較して希少性が高いとされるのは、接ぎ木(つぎき)で出来た種類の木材ということが根底にあります。
アメリカンブラックウォールナット クラロウォールナット2.接ぎ木により誕生した樹種
北米に生える樹齢が若く、まだ太くならないうちのアメリカンブラックウォールナットと、欧州産のヨーロピアンウォールナットを接ぎ木して育てたものが、クラロウォールナットと呼ばれます。
この接き木の場合、土台となる北米産の若いアメリカンブラックウォールナットを一旦切断し、その上からヨーロピアンウォールナットを穂木として人為的に接合させます。
当初の目的は、栄養価の高いクルミを収穫することとされていましたが、採れる木材が非常に美しいことから材としての価値も高まっている木材です。
3.大きいサイズが貴重な理由
接ぎ木では成長する確率が低いとされ、大樹になるまで育てるのは大変難しく、クラロウォールナットで太さ(幅)、長さがしっかりある材は非常に珍しいです。
一本から採れる面積が少なく、歩留まりを良くしないといけないため製材工程において薄く製材して一本の丸太からより多くの枚数を取ることが多く、結果として板の場合は厚みが薄いものが多く見受けられます。
厚み4cmのクラロウォールナット4.杢・木目の特徴
杢目の特徴としては、複雑に入り組んだ木目とキラキラ輝く杢が入っており、他の木とは一線を画す美しさと強さを感じる木です。
木目は、いびつで右往左往しながら上に伸びていることが多く、異形感のある木目が魅力的です。
光沢のある縮み杢5.色味の特徴
一般的なウォールナットとは色合いも異なります。ウォールナットは中心の色味が茶系で統一されているのに対して、クラロウォールナットは茶と黒と乳白色系の色味が連続して縞柄のような表情をしています。
異形感のある木目と縞柄の色調6.素材の特徴
クラロウォールナットは、薔薇のようにトゲがあり、側面の耳に幾つもの棘(とげ)が飛び出しています。
この棘がある部分が木目にも影響を与え、複雑で特徴的な印象を持たせています。
棘 棘がある部分の杢目また、生育中に効率良く光合成するために瘤が出来ることが多く、結果として瘤杢(バール杢)と呼ばれる一風変わった木目の材が採れることも多々あります。
7.希少性
一般的なウォールナットの生育に比べ、手間と時間。そして失敗する確率が高いクラロウォールナットの材は必然的に希少性が高くなり、価値も比例して高くなります。
その上、木目が綺麗で強さもあるため、魅了される人も多く、価格も高くなります。
クラロウォールナットは、一枚板・木材の中でも群を抜いて個性的な木です。
お客様にとって素敵な一枚と出会われることを願っております。
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老舗旅館の伝統と格式の高さを演出する山桜一枚板カウンター
神奈川県秦野市にて、100年続く老舗旅館・陣屋様。
受付カウンターの改修に伴い、天板を無垢一枚板にされたいとご相談を受け、一枚板のカウンターをご提案させて頂きました。
今回、お選びいただいた材は山桜(ヤマザクラ)
産地:宮城県
長さ:4200
幅 :750〜1280
厚み:約100 (単位:mm)
山桜としては、長さ、幅全て規格外の大きさを誇る一枚です。
無垢の山桜の一枚板としては日本で最も大きな一枚板で、芯割れや入り皮穴などもなく、とても綺麗な状態です。
元々、必要とされていた寸法は、
①長さ3300 X 幅700以上
②長さ2100 X 幅300以上
と大きく、尚且つ国産材で建具や建材と統一感のある色調をお求めでした。
ケヤキやクスノキは割と大きな寸法の一枚板もありますが、周囲の建具等との色味の統一感に欠けてしまいます。
また、通常は幅70〜80cmの山桜が多い中で、これだけ大きな山桜で表面に大きな割れなどのダメージも少ない山桜の一枚板は珍しいということもあり、創業100年以上続く老舗旅館・陣屋様の受付カウンターという貴重な場所へのご提案としては、これほど素晴らしい一枚板は他にないため、山桜にて進めさせて頂きました。
カウンターの組み方は様々ありますが、今回は大机と小机の2枚を天板下の台座(什器)と接続して繋ぐ方法を取りました。
貴重な一枚板ですので、鋸目をどこから入れるかは非常に難しい判断でしたが、設計士様と相談しながら、木取り(墨付け位置)を確定。
板の反りや割れを避けて目一杯取れる寸法で墨付けしました。
板の表面は、真っ直ぐに見えて微妙な反りや捻れが発生しています。
そこで、木取りの次は平面出しするため機械で鉋(カンナ)を掛けて削っていきます。
表面を平らにレベルを整えると全体的に薄くなってしまうため、要所で平らにすべきポイントを細かく確認しながら天板の研磨作業を進めます。
板と鉄板の隙間が、“反り”の深さ山桜は、樺や水目桜と違い、バラ科サクラ属に属しており、本桜とも呼ばれています。
さすがバラ科と呼ばれるだけあって、削っている木屑から非常に良い香りが漂っておりました。
山桜は香りが強いことでも知られているため、燻製などのスモークチップなどにも用いられています。甘く、重厚感のある香りで長時間経った後もしっかりと香りが残っていました。
鉋がけが終わり、次は表面をサンドペーパーで磨き上げ、研磨を掛けていきます。
サンドペーパーでの研磨作業では、表面の荒い凹凸やザラザラしている部分を滑し、触り心地と木目の見た目を美しくする狙いがあります。
研磨が終わると、細かな割れを塞ぎつつ、割れの中心部まで硬化剤を流し込み割れを埋めていき、裏面に反り止めの金具を装着します。
今回、裏面には取り付ける土台(什器)の“受け穴”を座繰り加工しておく必要があるため、反り止め金具取り付けと同じタイミングで寸法出し(墨付け)をします。
座繰り加工の様子 反り留め金具(塗装後)座繰り加工が完了し、いよいよ塗装に入ります。
受付はご来館のお客様が触れられる部分でもあり、雨の日の対応もあるため、撥水性と耐久性を兼ねたウレタン塗装にて施工いたしました。
粘土が高く、硬さのある塗料を調合して塗装。
大机と小机の接地部分は、見た目のデザイン性を元に設計士様よりあえてズラし、段差を作るよう依頼を受けておりましたので、寸法を調整して加工し完成。
土台部分の組子は、秦野市の佐藤建具工房・佐藤様の作品です。
洗練された雰囲気が非常に優雅にも感じられ、旅館となった大正時代の終わりから100年以上続く伝統と格式高い空間の受付に相応しい一枚板のカウンターとなりました。
皆様も足を運ばれた際には、ぜひ素晴らしい庭園と施設、そして受付カウンターをご覧いたただければ幸いです。
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土埋木か生木で色味が変わりますが、一般的に黄土色や褐色の見た目が特徴的な屋久杉の色味。
土埋木の木肌は黄土色 生木の木肌は褐色系しかし、無塗装の状態(塗装前)は色味が薄く、白(薄黄色)っぽく印象が異なります。
そこで、今回は塗装前と後でどのように色味が変わるのかご紹介していきます。
塗装前の原木をご覧頂くと、「本当に屋久杉ですか?」と疑われることもあるほど塗装前と後では色が変わります。
〔塗装前の屋久杉〕
塗装前の屋久杉の輪切りテーブル〔塗装後の屋久杉〕
塗装後の屋久杉の輪切りテーブルこの2枚の屋久杉の輪切りは、同じ丸太から取れた物で上下隣り合わせの場所に位置していた2枚なので、塗装前後の色味はほぼ同じと考えて良いかと思います。
※塗装はウレタン塗装
同じ屋久杉の輪切りでも、これだけ色が異なります。屋久杉の場合、木に樹脂(アブラ)が豊富に含まれている個体もあり、樹脂が多い木の場合は、色味が他の屋久杉よりも強く濃くなります。
屋久杉に限らず、ケヤキやトチなどの木も塗装すると色が変わります。
原木の状態だと乾燥して地肌そのままの素地の色をしていますが、例えば水で濡らしただけでも色が濃くなります。
塗装前の見た目で気に入って購入、塗装して納品されたら全く違う色で届いた。そういった事がないように”塗装の有無”、”塗装後の色の変化”などについては購入前に話を聞いておくことをおすすめします。
屋久杉の商品一覧はコチラ
【今回ご紹介した輪切り】
塗装後の屋久杉の輪切りテーブル → G-272屋久杉輪切り 生木
虎杢の屋久杉の輪切りテーブル → G-137屋久杉輪切り 生木
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