屋久杉の一枚板や壺などの商品に入る杢の一つが、“光明(こうみょう)杢”です。
この記事では、光明杢とはどういった種類の杢なのか、どういう過程で入ることが多いのかご紹介していきます。
1.光明杢とは
2.どういった入り方をするのか
3.製材後、残るのは稀少?
4.光明杢が入る過程の考察
光明杢は下写真のように、下から上へと縦に光の筋のように伸びる杢のことを指します。
火炎のようにゆらゆらと屈曲を繰り返しながら縦に伸びているのが光明杢の特徴です。
周りの部分よりも濃く見えるのは樹脂(油分)が多いためで、香りも濃厚です。
光の当たる角度によって反射角が変わり、光が分散することでキラキラと輝いているように見えます。
木の木目が伸びている方向と平行して入るため、ほぼ100%縦に真っ直ぐ伸びています。
長さは様々で、3m50cmの一枚板の中全てに光明杢が一本伸びているものもありますが、短くても美しい輝きを放っています。
幅も様々あり、1cmのものから10cm以上のものまで多岐にわたっています。
同じく屋久杉で見られる輝くタイプの杢、虎杢とはどう違うのか?
どちらも輝くタイプの杢という点では同じですが、虎杢は等間隔で光の屈折があり、杢の波が極めて一律です。
一方、光明杢は光の屈折する位置や長さや幅が不均一という点で異なります。
また、杢が木目に対し垂直に伸びるか?平行に伸びるか?という点においても大きな違いがあります。
屋久杉の杢のなかでも、光明杢は特に稀有な存在として重宝されています。
その理由の一つが、管理の難しさにあります。
製材直後、光明杢は大変綺麗に板表面に出ています。
しかし、乾燥中に多くの光明杢が消えてしまう現象が発生します。
“沈む”と表現した方が適切かもしれませんが、杢が木の中にスーッと沈み込んでしまい、いざ製作する際には残っていないということが多いのです。
恐らく、乾燥の影響が強いのかと思われます。
光明杢は前述したとおり樹脂(油分)量が多いことが分かっています。つまりそれは、何らかの影響でダメージ等を負い、その傷を修復するため自然治癒の過程で樹脂を豊富に出したということです。
その自然治癒の結晶が、光明杢というかたちで私たちに美しい表情を見せてくれているのでしょう。
上の写真はいずれも、光明杢と入り皮跡の付近を撮影したものです。
入り皮は、ヒトで言うところの“かさぶた”のようなものです。木もヒトと等しく傷を負うと、内部に皮を作って保護膜を張ろうとします。
その過程において樹脂を豊富に出して傷を直そうとし、その副産物として光明杢という結晶が出来上がったのではないかと思われます。
何気なく眺める屋久杉の一枚板や壺や香炉などの工芸品。
其々の表情の中には、こういった厳しい自然環境を生き抜こうとした証が刻まれているように思います。
屋久杉においては伐採も競りも禁止されている現在、より一層これらの銘木を正しく理解し、尊重し、大切に遺していけるよう努めて参ります。
*今回使用している写真は全て、弊社が保管している屋久杉の生木から抜粋しております。
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屋久杉の一枚板や壺などの商品に入る杢の一つが、“光明(こうみょう)杢”です。
この記事では、光明杢とはどういった種類の杢なのか、どういう過程で入ることが多いのかご紹介していきます。
1.光明杢とは
2.どういった入り方をするのか
3.製材後、残るのは稀少?
4.光明杢が入る過程の考察
1.光明杢とは
光明杢は下写真のように、下から上へと縦に光の筋のように伸びる杢のことを指します。
写真中央)周りよりも濃く見える部分火炎のようにゆらゆらと屈曲を繰り返しながら縦に伸びているのが光明杢の特徴です。
周りの部分よりも濃く見えるのは樹脂(油分)が多いためで、香りも濃厚です。
光の当たる角度によって反射角が変わり、光が分散することでキラキラと輝いているように見えます。
2.どういった入り方をするのか
木の木目が伸びている方向と平行して入るため、ほぼ100%縦に真っ直ぐ伸びています。
長さは様々で、3m50cmの一枚板の中全てに光明杢が一本伸びているものもありますが、短くても美しい輝きを放っています。
幅も様々あり、1cmのものから10cm以上のものまで多岐にわたっています。
同じく屋久杉で見られる輝くタイプの杢、虎杢とはどう違うのか?
虎杢)木目に対し、垂直に杢が伸びる 光明杢)木目と平行に杢が伸びるどちらも輝くタイプの杢という点では同じですが、虎杢は等間隔で光の屈折があり、杢の波が極めて一律です。
一方、光明杢は光の屈折する位置や長さや幅が不均一という点で異なります。
また、杢が木目に対し垂直に伸びるか?平行に伸びるか?という点においても大きな違いがあります。
3.製材後、残るのは稀少?
屋久杉の杢のなかでも、光明杢は特に稀有な存在として重宝されています。
その理由の一つが、管理の難しさにあります。
製材直後、光明杢は大変綺麗に板表面に出ています。
しかし、乾燥中に多くの光明杢が消えてしまう現象が発生します。
“沈む”と表現した方が適切かもしれませんが、杢が木の中にスーッと沈み込んでしまい、いざ製作する際には残っていないということが多いのです。
4.光明杢が入る過程の考察
恐らく、乾燥の影響が強いのかと思われます。
光明杢は前述したとおり樹脂(油分)量が多いことが分かっています。つまりそれは、何らかの影響でダメージ等を負い、その傷を修復するため自然治癒の過程で樹脂を豊富に出したということです。
その自然治癒の結晶が、光明杢というかたちで私たちに美しい表情を見せてくれているのでしょう。
光明杢と入り皮跡 光明杢と入り皮跡(無塗装)上の写真はいずれも、光明杢と入り皮跡の付近を撮影したものです。
入り皮は、ヒトで言うところの“かさぶた”のようなものです。木もヒトと等しく傷を負うと、内部に皮を作って保護膜を張ろうとします。
その過程において樹脂を豊富に出して傷を直そうとし、その副産物として光明杢という結晶が出来上がったのではないかと思われます。
何気なく眺める屋久杉の一枚板や壺や香炉などの工芸品。
其々の表情の中には、こういった厳しい自然環境を生き抜こうとした証が刻まれているように思います。
屋久杉においては伐採も競りも禁止されている現在、より一層これらの銘木を正しく理解し、尊重し、大切に遺していけるよう努めて参ります。
*今回使用している写真は全て、弊社が保管している屋久杉の生木から抜粋しております。
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