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〈納品事例〉SARAri様|屋久杉 輪切りディスプレイ
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老舗旅館の伝統と格式の高さを演出する山桜一枚板カウンター
神奈川県秦野市にて、100年続く老舗旅館・陣屋様。受付カウンターの改修に伴い、天板を無垢一枚板にされたいとご相談を受け、一枚板のカウンターをご提案させて頂きました。
今回、お選びいただいた材は山桜(ヤマザクラ)
産地:宮城県
長さ:4200
幅 :750〜1280
厚み:約100 (単位:mm)
山桜としては、長さ、幅全て規格外の大きさを誇る一枚です。
無垢の山桜の一枚板としては日本で最も大きな一枚板で、芯割れや入り皮穴などもなく、とても綺麗な状態です。
元々、必要とされていた寸法は、
①長さ3300 X 幅700以上
②長さ2100 X 幅300以上
と大きく、尚且つ国産材で建具や建材と統一感のある色調をお求めでした。
ケヤキやクスノキは割と大きな寸法の一枚板もありますが、周囲の建具等との色味の統一感に欠けてしまいます。
また、通常は幅70〜80cmの山桜が多い中で、これだけ大きな山桜で表面に大きな割れなどのダメージも少ない山桜の一枚板は珍しいということもあり、創業100年以上続く老舗旅館・陣屋様の受付カウンターという貴重な場所へのご提案としては、これほど素晴らしい一枚板は他にないため、山桜にて進めさせて頂きました。
カウンターの組み方は様々ありますが、今回は大机と小机の2枚を天板下の台座(什器)と接続して繋ぐ方法を取りました。
貴重な一枚板ですので、鋸目をどこから入れるかは非常に難しい判断でしたが、設計士様と相談しながら、木取り(墨付け位置)を確定。
板の反りや割れを避けて目一杯取れる寸法で墨付けしました。
板の表面は、真っ直ぐに見えて微妙な反りや捻れが発生しています。
そこで、木取りの次は平面出しするため機械で鉋(カンナ)を掛けて削っていきます。
表面を平らにレベルを整えると全体的に薄くなってしまうため、要所で平らにすべきポイントを細かく確認しながら天板の研磨作業を進めます。
板と鉄板の隙間が、“反り”の深さ山桜は、樺や水目桜と違い、バラ科サクラ属に属しており、本桜とも呼ばれています。
さすがバラ科と呼ばれるだけあって、削っている木屑から非常に良い香りが漂っておりました。
山桜は香りが強いことでも知られているため、燻製などのスモークチップなどにも用いられています。甘く、重厚感のある香りで長時間経った後もしっかりと香りが残っていました。
鉋がけが終わり、次は表面をサンドペーパーで磨き上げ、研磨を掛けていきます。
サンドペーパーでの研磨作業では、表面の荒い凹凸やザラザラしている部分を滑し、触り心地と木目の見た目を美しくする狙いがあります。
研磨が終わると、細かな割れを塞ぎつつ、割れの中心部まで硬化剤を流し込み割れを埋めていき、裏面に反り止めの金具を装着します。
今回、裏面には取り付ける土台(什器)の“受け穴”を座繰り加工しておく必要があるため、反り止め金具取り付けと同じタイミングで寸法出し(墨付け)をします。
座繰り加工の様子 反り留め金具(塗装後)座繰り加工が完了し、いよいよ塗装に入ります。
受付はご来館のお客様が触れられる部分でもあり、雨の日の対応もあるため、撥水性と耐久性を兼ねたウレタン塗装にて施工いたしました。
粘土が高く、硬さのある塗料を調合して塗装。
大机と小机の接地部分は、見た目のデザイン性を元に設計士様よりあえてズラし、段差を作るよう依頼を受けておりましたので、寸法を調整して加工し完成。
土台部分の組子は、秦野市の佐藤建具工房・佐藤様の作品です。
洗練された雰囲気が非常に優雅にも感じられ、旅館となった大正時代の終わりから100年以上続く伝統と格式高い空間の受付に相応しい一枚板のカウンターとなりました。
皆様も足を運ばれた際には、ぜひ素晴らしい庭園と施設、そして受付カウンターをご覧いたただければ幸いです。
お問合せ:info@graxen.com
お問合せフォーム:コチラ
焼きたてバームクーヘンが楽しめるカフェ「SARAri」様に、屋久杉の輪切りを納品させていただきました
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〈 SARAri 〉「サラリ/焼きたてバームクーヘンカフェ」
住所:千葉県市原市更級2-7-3
TEL:0436-98-3855
営業時間:11:00~16:00
焼き上がり:12:00 / 14:00
定休日 :月曜日、火曜日
駐車場 :あり(7台)
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納めさせていただいた屋久杉の輪切りは、直径124 × 103 cm × 厚み15cmという大きなサイズでした。
当初は、背面のコンクリートに直接据え付ける案でしたが、安全性を考慮し、鉄製の台座をご提案させていただきました。
台座は、ベースとなるフレームから鉄の支柱を4本立ち上げ、屋久杉の輪切りをしっかりと固定しています。屋久杉本体は背面の鉄板とも接着しており、転倒などの危険性を回避しています。
また、輪切りには絶妙な凹凸があり、凸の頂点に支柱の位置をミリ単位で調整する必要がありました。型紙をもとに慎重に設計し、念の為、後からでも微調整可能な構造としています。
台座の重量が過剰にならないよう配慮しつつ、転倒を防ぎ重心を安定させるため、試行錯誤を重ねて設計・施工を行いました。製作は普段、商業施設などへ鉄骨を納める会社様ですので、確かな技術力のもとで設計・荷重計算テスト・溶接・塗装のすべてが順調に仕上がり、万全の強度と安定性を兼ね揃えた台座が完成しました。
塗装後の綺麗な屋久杉の輪切りを傷付けることなく、台座に載せて固定する瞬間は最も緊張する工程でしたが、屋久杉の輪切りと台座が一体となり、美しさと安全性を両立させた設えとなりました。
無事に設置が完了し、台座の塗装も店内の雰囲気と大変調和していて、モダンで温かみのある空間に溶け込み、屋久杉の繊細な木目や輝く杢目、バームクーヘンを想起させる年輪が、お店の象徴として非常に合っています。
屋久杉の輪切りから始まり、台座の設計・構想を快く実現させていただいたオーナー様に心よりお礼を申し上げます。
店舗の皆様、ご来店のお客様にも大変喜ばれているようで、貴重なご縁に大変感謝いたしております。
SARAri様では、“焼きたて”のバームクーヘンを味わうことができます。
厳選した素材を使用し、しっとり感を追求して焼き上げたバームクーヘンは、驚くほど柔らかく、ワンホールでもあっさり食べきれてしまう美味しさです。
こだわりのスペシャリティコーヒーとの相性も抜群です。屋久島から取り寄せているという紅茶〔紅富貴〕、緑茶〔縄文〕も味わい深く、ほっと一息つきたいひとときに最適です。
サイドメニューの焼きプリンやトマトスープ、アイスクリーム、さらに味の変化を楽しめるベリーソースも、どれも絶品でした。
美味しいバームクーヘンでお客様を笑顔にするSARAri様へ、ぜひ足を運んでみてください。
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〈 SARAri 〉「サラリ/焼きたてバームクーヘンカフェ」
Instagram:sarari_0201
住所:千葉県市原市更級2-7-3
TEL:0436-98-3855
営業時間:11:00~16:00
焼き上がり:12:00 / 14:00
定休日 :月曜日、火曜日
駐車場 :あり(7台)
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