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虎瘤(とらこぶ)|屋久杉の基礎情報|グラクセン
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泡瘤(あわこぶ)|屋久杉の基礎情報|グラクセン
屋久杉には、他の木材には無い特別な杢目(もくめ)が沢山あります。
今回は、泡瘤(あわこぶ)についてご紹介していきます。
屋久杉の瘤(泡瘤)瘤とは木の側面に出来る膨らみの部分を言い表しています。
屋久杉の泡瘤_詳細瘤の発生場所は根っこや木の中腹部など様々です。
瘤の発生原因は、樹に菌が入り、抗体が菌と戦うことで出来るとされています。人間で例えると、擦り傷の後のかさぶたのようなものです。
この瘤の重さが原因で倒れる樹も多く、特に中腹部に出来ると樹がバランスを取りづらくなり台風や強風などの影響で傾き、倒れるケースも少なくありません。
屋久杉だけではなく、ケヤキやイチョウ、アフリカのブビンガなどにも発生しています。
屋久杉の場合、”瘤”と呼んだり、”泡瘤”と呼んだり、どれが正しいのでしょう?
“瘤”とは先程、説明した通りで樹の側面に発生する部分です。
切り開いてみると、このように緻密な杢目が複雑に入り込み、複雑ながらも美しい気品を感じさせてくれます。
屋久杉泡瘤盆-特上“泡瘤”は瘤の中に水面に発生する気泡のような細かな点々が多数発生します。
屋久杉の泡瘤樹種の違いはありますが、瘤杢は小さな円の中に点が入り組んでいるのが特徴的。
一方、泡瘤は円や線が緻密に入り組み、全体を覆っているのが特徴です。
一般的に、木材業界では“瘤”と呼ばれます。
一方、屋久杉業界では、泡や泡瘤と呼ぶ方が多いです。
他の樹種の木材では泡瘤と呼ぶことはありません。
部位だろうが、杢だろうが関係なく全て、瘤と呼ばれています。
専門家によると、初めて屋久杉の泡瘤を見た人が、瘤の中に水面に発生する気泡の様だと思い、泡と呼び始めたそう。
更に、通常の瘤とは違うということで泡の瘤と呼び、泡瘤とか泡とか呼ぶようになって今の名称に落ち着いたそうです。
屋久杉の泡瘤を主に収集されている専門家の方によると、泡瘤だけで100近くの種類があるそうです。
全ての泡瘤は、表情が違うので屋久杉業界でも、泡瘤ファンは沢山います。
この美しさ、惹かれ始めると止まりません。
収集される方のお気持ち、よく分かります。
ぜひ、ご興味があれば以下に一覧まとめたので見てみて下さい。
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価格に惑わされない、良い屋久杉の見分け方とは?|屋久杉のお役立ち情報グラクセン
「良い屋久杉の見分け方ってあるんですか?」
屋久杉の商品を検討中のお客様から、よく質問されます。
標高500m以上、樹齢1,000年以上で屋久島内で生育する杉を屋久杉と呼びます。
屋久杉は、樹齢によって、或いは生育地の差によって絶妙に表現が変わっていきます。
その中で、同じサイズでも屋久杉によって価格に差が生じているのは何故なのでしょう?
今回は、屋久杉を見分ける方法について情報掲載していきます。
良い屋久杉の条件には、以下5つがあると言われています。
1.杢の種類
2.サイズ
3.油の量
4.香り
5.硬さと重さ
1.杢の種類
屋久杉には、他の木材には表れない独特の杢(もく)が存在しています。
屋久杉の代表的な杢“虎杢”(とらもく)杢入りの屋久杉と出会える確率は、100本に1本と言われるほど、少なく希少価値が大変高いです。
さらに、杢の種類によっても希少性が異なるため、通常の木目の屋久杉よりは、杢が入った屋久杉の方が高値で売買されています。
一般的に杢入りの屋久杉は、その希少性により良い屋久杉として認知されています。
杢の種類においての評価は微妙なところで、どの杢の種類だと評価が高いという基準は無いので、好みによって分かれるようです。
それよりも、杢がどれだけ“出ているか”が重要な鍵を握っています。
また、杢が単一ではなく複数種類入っているのは珍しく、こちらも稀少性が高いと言えます。
2.サイズ
「屋久杉のテーブルが欲しい!」
大きな屋久杉との出会いは、多くの方が求めています。
しかし、テーブルサイズの屋久杉がどれだけ稀少性が高いか?
ご理解頂く為には、まず屋久島の特別な土地環境を説明する必要があります。
屋久島は周囲130km、中央に九州最高峰の宮之浦岳(1936m)が立つ凸型の地形です。
更に、花崗岩の山地が地形を作っているので屋久杉は養分が乏しい岩石の上で少しずつ成長しています。
山は斜面が多く、その多くが未舗装のため1923年にトロッコ道が完成するまで屋久杉は手作業で麓まで搬出されていました。
その多くは、屋根材に使うような平木や建築用資材など、人力で運べる物だけでした。
一枚板サイズの巨大な屋久杉の丸太はトロッコ道では搬出出来ず、1985年に開始されたヘリ集材を契機により多く搬出されるようになったのです。
トロッコ道ヘリ集材によって搬出は進んだものの、特殊な地形の屋久島をヘリで飛ぶのは大変危険で日本でも有数の危険地帯と言われていました。
そこで、ヘリで積めるのは4トンが限度とされていました。
しかし、その危険性もあって現在ヘリ集材は行なわれていません。
ヘリ集材の様子
(写真:屋久杉銘木協同組合)ヘリで積む際には、その大多数の丸太が山で2mに玉切りされて搬出されています。
そのため、長さ2m以上の屋久杉の一枚板は貴重という事です。
玉切りの様子また、テーブル時の横幅は、丸太の直径にあたるので横幅1m以上の屋久杉は抜群に希少価値が高いです。
つまり、大きな木材はとにかく搬出が難航したため、一枚板のような屋久杉の大きなサイズの物は貴重という事です。
3.油の量
屋久杉は、特殊な環境で育つため500年で40cm程しか成長せず、生育が非常に遅い木材です。
また、豊かな自然環境のため野生のヤクシカや猿など樹に寄り添う野生動物が沢山います。
鹿がツノを樹に擦り付けることで発生する傷や斜面で成長するために歪曲屈折して伸びるなど…
あらゆる自然環境の中で高く伸びるために数多くの試練を経験して育ちます。
その過程は、樹に多くのストレスを与え、自然治癒の力を発揮する源となるのです。
この自然治癒のために、緻密な木目の中に”油分”が表れるのです。
油分は、樹が腐らないように保護する役目と菌に負けない樹の生命力を表しているともいえます。
屋久杉の長寿の秘訣は、この油にこそあります。油が適時適切に抽出され、樹を保護するために長く生き続けるのです。
つまり、長く生きてきた屋久杉が油量が多いということになります。
この油分、一枚板や工芸品となった後でも分かります。
下の写真に、油分量が多い木と少ない木を並べてみました。
油分が少ない屋久杉 油分が多い屋久杉 色艶に違いがはっきりと出ています。
屋久杉の価値は、その歴史にあるといっても過言ではないので、油量が多い樹を見定める事も良い屋久杉を見分ける大きな判断材料になるといえます。
4.香り
屋久杉の香りを嗅いだ事はありますか?
ウレタン塗装や木に膜を張る塗装の場合、無臭であることが多いです。
(むしろ、ウレタン塗料の臭いがしてしまう場合も…)
実は屋久杉の香りは結構強いです。
それも、長寿になればなるほど香りが強いといわれています。
先ほどの油分の多さとも関係がありますが、油量が多ければ香りも長く強く残るということです。
これは是非、体験して頂きたいのですが、
無塗装の屋久杉には興味深い発見がありました。部屋の湿度が高くなると香り出すのです。
これは余談ですが、部屋の中でたまに香りが強くなる日がありました。
その不規則なタイミングを突き止めていくと、雨が降る前に香りが強くなる事が判明しました。
湿度が高くなると決まって、水分と屋久杉が持つ油が反応して、香りが発生しているのです。
屋久杉は水分量が多い土地で育っているので、水分を吸収すると活力が溢れ出てくるのでしょう。
事実、定期的に日陰で天日に当てたり、塗れ布で拭いてあげると長く愛でることができます。
特に、油が詰まった屋久杉の方が香りが強いので、長寿の証である“油”が染み出していると香りも強いのです。
ウレタン系の塗装でコーティングされた商品は香りを嗅ぐのが難しいかもしれませんが、ぜひ鼻を近づけて香りを嗅いで見極めてみて下さい。
5.硬さと重さ
屋久杉の一枚板の販売店の決まり文句として、
「女性1人でも持てるんですよー」
「柔らかい木なので、食事の際はマットを敷いて下さい。透明のマットもありますよー」
軽さや柔らかさをアピールされる事が多々あります。
皆様も、よく耳にされているかもしれません。
私自身もこの言葉を疑わず、そうだと思っていました。
ところが、一枚の屋久杉と出会って概念が全く変わりました。
その一枚は長さ180㎝ × 幅95㎝ × 厚さ6㎝ と標準的なサイズにも関わらず、これまで持ってきた屋久杉の一枚板とは比べられないほど重かったのです。
他にも、その販売店の一枚板は、これまで取り扱ってきた屋久杉とは比較出来ないぐらいに重かったのです。
それらの違いを比べていくと判明したのは、油分の多さだったのです。
更に、それらは硬くて、まるで広葉樹のようでした。
つまり、〔 油分の多いもの = 硬く、重い 〕ということです。
油分が多いかどうか分からない時は重さや硬さで確かめてみると良いでしょう。
硬さの判別が難しいという方は、優しくトントンとノックしてみて下さい。
※販売店によっては嫌がられるので、販売員さんに確認のうえ行なって下さい。
あとは実際に持ってみることですね。
壺や香炉などは分かりやすいかと思います。
※商品はすべて販売店さんに確認のうえ、確かめてみて下さい。
以上5つが、良い屋久杉の見分け方です。
ご購入前に、トコトン確かめて納得いく屋久杉との出逢いの参考にして頂ければ幸いです。
弊社では、ご購入前に商品をご自宅でご覧頂けるサービスも行なっております。
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是非、こちらのサービスもご活用ください。
これからも、皆さまのお役に立てる情報を掲載して参ります。
数多く存在する屋久杉の杢目(もくめ)の中でも、あまり聞きなれない杢目。
その一つが今回ご紹介する、虎瘤(とらこぶ)杢です。
こちらが、虎瘤杢が入った飾り盆です。
虎瘤杢の飾り盆瘤の中に、虎杢(とらもく)が入っており、見る角度によって光が反射するのが特徴です。
先日ご紹介した泡瘤杢のように、切ってみなければ瘤の中にはどういった杢が入っているのか分からないので、正に偶然の産物です。
色味は若干ピンク色や薄いオレンジ色で、躍動感ある木目の動きが独特な印象です。
薄いオレンジが特徴的樹齢千年以上ということだけでも十分魅力的ですが、こういった杢がその付加価値を更に高めています。
昨年3月で競りが終了してしまったので、既にお持ちの材木屋さんなどがこういった貴重な杢のものをお持ちでしたら、出会える可能性もありそうですね。
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