2019.06.11

土埋木って何?|屋久杉の専門情報

現在販売されている屋久杉は、土埋木(どまいぼく)と生木(せいぼく)の2つに分けられます。

今回はこの土埋木について、ご説明していきます。

 

『土埋木って言うぐらいだから、土に埋まってたんじゃないの?』

そう思われる方も多数いらっしゃいます。

確かに、楠やケヤキなどの木材で土中に埋まっていたものは、土埋木や神代(じんだい)と呼ばれています。

 

ところが、屋久杉の場合は、それらとは若干意味が異なります。

屋久杉に使われる、土埋木という言葉。

それは、江戸時代に伐採された屋久杉が搬出されず、そのまま土の上に放置された倒木を指します。

決して、土中に埋まっていたから付けられた名前ではないんですね。

 

江戸時代に遡りますが、山師の人々は山の生木を伐って主に家屋の屋根の材料として使っていたと言われています。

今のようにトロッコ道や舗装された道路など無い時代ですから麓に近い場所から順に伐採し始めました。

ところが、伐っても大き過ぎて麓まで降ろせない木は、伐り倒したまま放置されてしまいました。

全て人力で搬出していたので、限界があるのは当然ですね。

搬出する際は、平木といって大きな丸太を小さな長方形サイズに切り分けていたとはいえ、高低差の激しい山を担いで搬出するのは至難とも言えます。

大きな屋久杉を小割にして運搬していた

 

これらの土埋木が1923年に完成したトロッコ道や、1985年頃から始まったヘリ集材など搬出手段が増えた事によって積極的に市場へ持ち出されるようになりました。

まだ山に生えている屋久杉を伐採することが禁じられたいま、市場に流通している屋久杉は土埋木が中心となっているのです。

搬出しづらい場所に多く残る土埋木
(山中深い場所の谷にて)

 

土埋木は、薩摩の残し木とも言われ、昔の人たちが残した貴重な財産です。

土埋木となった屋久杉は、成長を続けています。地面から豊富な水分を吸収して全身を苔で覆い、保湿力を高めているのです。

当然ながら芯が腐り、空洞となった丸太もありますが、その生命力の強さは他の木材とは比較出来ません。

伐採後、数十年以上経過しても腐らず残る様子

 

また、切り倒された切り株の上から新たな杉の芽が育ち、次の世代の杉の土台になっているものも数多く発見されています。

これらを、切り株更新と言います。

切り株から新たな芽が生育する様子

屋久杉は針葉樹の杉科ですので通常は、真っ直ぐ伸びていきます。しかし、その中には真っ直ぐ育たず、曲がった屋久杉も多数存在していました。

これら屋久杉は平木への加工が向かなかったため山に放置されたと言われています。

 

そして、この放置された屋久杉が“土埋木”として現在も取引されています。

とても長い歴史を経て、いま皆様の手元に屋久杉の商品があることは奇跡に近いですね。

 

屋久杉の一枚板テーブルや飾り棚などの家具、屋久杉の壺や香炉などの工芸品など。

数多くが商品として存在していますが、皆様が屋久杉の商品を手にする時に、こういった背景を知っていると更に愛着が深くなることと思います。

 

皆様と屋久杉に、良いご縁がありますように!

心より願っています。

 

商品一覧は、こちらから

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