【特上】黒柿孔雀杢_床柱001
長さ3600(約2間)、幅175(約6寸)
全面に孔雀杢が入った極上の一本です。
出土は不詳ですが、日本建築の名工が大切に保管していた物を地元の名士が買い入れ、木箱に入れて大切に保管されていた貴重な床柱でございます。
優雅さと、強い迫力を兼ね揃えた不動の佇まい。
黒の色調の濃さが全体の迫力を引き出し、大小様々な孔雀杢の連続が躍動感を生んでいます。
白太が左右に見切れ、木が左右に振られながら生きたであろう証が詰まっています。
雪深い土地で、懸命に耐えながら。
まるで狩りをする豹の様な、しなやかさと野生に生きる逞しさが木肌表面の孔雀杢模様から感じ取れます。
ほぼ全てに孔雀杢特有の杢目が入り、その動きと杢目の美しさは忘れられない印象を残すでしょう。
背面は床柱の基本に倣い無塗装としており、背割れも入れてあります。
背割れには黒檀の契りを8本入れており、如何に持ち主が大切に保管していたかが伺い知れます。
サイズ:
縦3600 ✕
横175 ✕
厚さ172 ✕
mm
商品コード:
商品カテゴリー: 床柱・框・その他
【黒柿について】
高貴な品格と、日本特有の景色が詰まった銘木
装飾的な色調は一切持たず、まるで水墨画を描き拡げるかの様な全体感。
抽象的であるため捉え方は自由で、人それぞれ。
それ故、空間全てで客人をもてなす茶室にて重宝されてきました。
古くから日本の高貴な方にも愛されてきた銘木です。
木目の中に、五感を豊かにしてくれる情緒を秘めています。
◆黒柿材の特徴
黒柿という名は、柿の木の木目の中に“黒”が入った時だけの、特別な呼称です。 通常の柿の木は、乳白色に近い木目をしています。
柿の木の立ち姿では黒柿か否か見極めることはできないため、伐採して初めて黒柿と分かるのです。
黒柿となる確率は1000本に1本程度と言われ、黒柿は非常に貴重な存在です。
各種研究機関においても推論の域を出ていませんが、樹齢150年以上の老木にしか黒が出ないことが共通しているため、柿渋の元である“タンニン”が変色し、元々白い樹である柿の木に黒が入るのではないかと考えられています。
また、運良く黒が入っていても全体にまで入っていないことが普通のため、木の上から下まで黒が入っていると希少価値が高いと言えます。
黒柿は乾燥が非常に難しい素材として知られており、貯水場で水に浸けて虫が付かないようにし、その後は10年間ほど藁菰巻にして適度に水分を抜き、乾燥させます。時間と労力と神経を非常に使います。 乾燥手順
日本では新潟、福島など雪深い地域や島根などの中国地方まで局地的に生えています。
【黒柿の歴史】
正倉院御物品の中には黒柿製の工芸品が数多く保管されており、古くから黒柿が重宝されていたことが伺えます。
なかには、黒柿で作られた馬の鞍(鞍橋に黒柿を使用)も保管されており、位が高い者しか乗ることが許されていなかったため、聖武天皇ご本人か、もしくは天皇陛下の位に準じた高貴な方がご使用になっていたということで、当時から、黒柿が珍しい存在(=貴重な存在)として認められていたということです。
他にも黒柿を框材(脚)として使用した儀式用の丈の高い机などもあり、素材としての美しさを尊重されていたことが伺えます。
鎌倉・室町時代以降になると臨済宗が力を拡大、建築で䛿書院造が生まれます。
臨済宗宗祖・栄西が広めたとされる「茶」は茶道となり、日本文化の源流がこの時代に発展。
相国寺(京都・臨済宗相国寺派本山)の塔頭のひとつに、総黒柿の書院があり、臨済宗の高僧と交流があった当時の教養人、なかでもお茶の宗匠はその道具に黒柿を取り入れていき、茶の湯文化の発展と共に、黒柿が銘木として建材、茶道具として価値を高めていきます。
【黒柿の杢の種類】
◆孔雀杢(くじゃくもく)
黒柿にのみ入る杢とされており、孔雀杢入りの黒柿は最高級品とされています。 孔雀杢が現れる確率は、2~3万本に1本と言われるほど希少です。 孔雀の羽根の様に、小さな楕円が連なり、小さいながらも力強い色調が類似していることが名称の由来です。
◆網目杢(あみめもく)
心材に現れる杢で、木取りの角度によっては孔雀杢とも呼ばれます。 放射状の網の様に見えることから、その名が付きました。 こちらも孔雀杢同様に、この杢が出る確率は2~3万本に1本と言われています。
◆縞杢(しまもく)
黒柿に一般的に見られる杢で、文字通り縞模様が特徴です。